身元保証人とは?
病院への入院や介護施設の入所、医療の同意などの際には、身元を保証してくれる「身元保証人」が必要となります。
身元保証人が70代以上のご高齢の方や、遠方にいて緊急対応ができないような方の場合は、施設入居時に断られてしまったり、多くの方に迷惑をかけてしまったりするケースがあります。ここでしっかりと身元保証人について考えていきましょう。
身元保証人が必要な場面
では、どのような場合に身元保証人が必要となるのでしょうか。
身元保証人は、日ごろの生活の支援はもちろんのこと、高齢者施設への入居時や病院への入院時、医療の同意、ご本人が亡くなったときなど様々な場面で必要となります。
身近に身元保証をお願いできる人がいない場合は、このような場面に直面してから急いで手配するのではなく、事前に専門家に相談して準備することが大切です。
以下のような場面で、身元保証人が必要になります。
生活の支援
ご本人の日々の生活を全般的にサポートするために、次のような対応が必要です。
- ケアプランの確認
- 薬の変更
- かかりつけ医の判断の確認
- 金銭管理
- 健康状態の確認
- 小口の補充
小口の補充や施設の方との連絡等、適宜対応できる人を身元保証人に選ぶ必要があります。
施設への入居時
高齢者施設に入居する際に身元保証人が求められます。近年はご高齢の方が身元保証人になることをお断りする施設も多いので、夫婦二人ともご高齢の場合は二人以外の身元保証人をつける必要が出てきます。
施設入居時に必要な場合は以下の通りです。
- 施設への入居を申し込む際:施設費用が支払えない場合に本人の代わりに支払えることや家族のように医療や介護の方針を確認できること。
- 施設の移転手続きの際:施設の方と連携して移転の手続きができること。
医療の同意・終末期の方針提示
終末期になると、本人に意識が無い場合や、意識があっても判断能力がない場合がほとんどです。医療現場では、家族や親族に終末期の医療判断を任せているのが通常です。
近くに身内の方がいない場合、手術の同意や様態急変時の駆けつけ対応、治療方針の相談等は身元保証人が対応するケースが大半です。
身元保証人は事前に決めた方針を提示できない場合には、身元保証人の役割を果たすことができません。
病院への入院時
医療費の支払いや入退院の手続き、緊急事態の対応の際も身元保証人が必要です。
もしもご本人が入退院の手続きができない場合、身元保証人がいなくて入退院の手続きが進まずに困ってしまうケースがあります。
事前に、このような手続きが可能な方がいるかどうか確認することが重要です。
ご本人が亡くなった時
ご本人が亡くなったときは、医師と共に死亡を確認し、身元の引き受けをする身元保証人が必要となります。
【ご本人が亡くなった際の手続き】
- 医師との死亡確認
- 死亡診断書の受け取り
- 葬儀社の手配
このような手続きは、関係性が薄い遠い親族や、単なるお知り合いの方にとっては負担の大きい手続きです。身元保証人欄に名前だけ書いてもらったような場合は上記の対応を断られてしまうケースもあります。
葬儀・供養の手配
身近に親族がいない場合は葬儀・供養の手配においてさまざまな手続きや確認事項があります。どれも重要な手続きですので、事前にどのように準備するのかを決めることが大切です。
- 亡くなった際の親族への連絡
- 葬儀方式の確認(葬儀社や宗教者の手配等)
- 納骨先の確認
- 供養方式の確認
事前にしっかりと準備をしておかないと、お墓の扱いなどでのちのちトラブルになるケースも多くあります。
死後事務手続き
ご本人が亡くなった後、入院費用や介護施設の利用料、また葬祭費や供養費用などさまざまな費用の清算をする必要があります。そのほかにも住んでいた家や施設の荷物の片づけ、行政機関への各種届出等の手続き等雑多な手続きがさまざまあります。
身近に頼める親戚の方がいない場合は、事前にお願いする方を決めておきましょう。
【必要な手続き】
- 住居や施設の片づけ
- 各種行政手続き
- 年金受給停止手続き
- 電気・ガス・水道等のライフラインの解約手続き
- 医療費の清算
他にも様々な手続きがあり、すべて完了するには2~3か月かかる場合もあります。
身近に親族がいない場合は、このような大変な手続きをどなたにお願いできるのか、事前に専門家に相談して準備をすることをおすすめします。